【AWS】AWS環境を守る最強のセキュリティツール「CrowdStrike」とは?概要・特徴・導入方法を徹底解説

AWS

今回は、クラウド環境のセキュリティ対策として注目を集めている CrowdStrike(クラウドストライク) について解説します。

「名前は聞いたことあるけど、普通のウイルス対策ソフトと何が違うの?」「AWS環境に導入するにはどうすればいいの?」という疑問をお持ちの方に向けて、概要から導入手順、実際に起きた障害事例まで幅広くご紹介します。


CrowdStrikeとは?

CrowdStrikeは、アメリカに本社を置くサイバーセキュリティ企業 CrowdStrike Holdings, Inc. が提供する、クラウドネイティブ型のエンドポイントセキュリティプラットフォームです。主力製品である Falcon(ファルコン)プラットフォーム は、従来のウイルス対策ソフトとは一線を画す、次世代型のセキュリティソリューションとして世界中の企業・政府機関で採用されています。

CrowdStrikeの最大の特徴は、AI(人工知能)と機械学習を活用したリアルタイムの脅威検知です。既知のマルウェアだけでなく、これまで見つかっていなかった未知の脅威(ゼロデイ攻撃)に対しても高い検知精度を誇ります。

CrowdStrikeの主な機能

機能名 内容
EDR(Endpoint Detection and Response) エンドポイントの脅威をリアルタイムで検知・対応
NGAV(次世代アンチウイルス) AIを活用した未知マルウェアの検知・ブロック
Threat Intelligence 世界中の攻撃情報をもとにした脅威インテリジェンス
Falcon Insight 詳細なインシデント調査・フォレンジック機能
Identity Protection IDベースの攻撃(クレデンシャル窃取など)への対策
Cloud Security AWSなどクラウド環境に特化したセキュリティ監視

従来のウイルス対策ソフトとの違い

「Norton」「Trend Micro」「McAfee」など、従来型のウイルス対策ソフトをご存じの方は多いと思います。では、CrowdStrikeはこれらと何が異なるのでしょうか?主な違いを以下の表で整理します。

比較項目 従来型アンチウイルス CrowdStrike(Falcon)
検知方式 シグネチャ(定義ファイル)ベース AIと機械学習による行動検知
定義ファイルの更新 定期的な更新が必要 不要(クラウド側で自動更新)
未知の脅威への対応 弱い(定義ファイルに依存) 強い(振る舞いで判断)
エージェントの軽量さ 重い傾向がある 軽量(システムへの影響が少ない)
管理コンソール オンプレミスが多い 完全クラウド型
クラウド環境との親和性 低い 高い(AWSネイティブ対応)
インシデント調査機能 限定的 充実(EDRによる詳細調査)

従来型のウイルス対策ソフトは「既知のウイルスの定義ファイルを照合する」という仕組みのため、新しいマルウェアや未知の攻撃手法には対応が遅れるという弱点があります。

一方、CrowdStrikeはプログラムの「振る舞い」をAIで解析するため、たとえ定義ファイルに登録されていない新種のマルウェアでも検知・ブロックできます。また、エージェント(端末にインストールするソフト)が非常に軽量で、サーバーのパフォーマンスへの影響が少ない点もクラウド環境での利用に適しています。


AWS環境へのCrowdStrike導入方法

CrowdStrikeをAWS環境に導入する方法はいくつかありますが、ここでは代表的な FalconエージェントのインストールAWS Marketplaceからの導入 を紹介します。

方法①:Falconエージェントを手動インストール(EC2の場合)

EC2インスタンスにCrowdStrikeを導入する基本的な手順は以下のとおりです。

事前準備

  • CrowdStrikeのFalconコンソールアカウント(テナント)
  • インストール用のFalconセンサーパッケージ(CrowdStrikeコンソールからダウンロード)
  • EC2インスタンスへのSSHアクセス権限

Linuxへのインストール手順(Amazon Linux 2の例)

# 1. Falconセンサーパッケージをサーバーに転送(SCPなどで)
scp falcon-sensor-x.x.x.amzn2.x86_64.rpm ec2-user@<EC2のIP>:~

# 2. EC2インスタンスにSSH接続
ssh ec2-user@<EC2のIP>

# 3. パッケージのインストール
sudo rpm -ivh falcon-sensor-x.x.x.amzn2.x86_64.rpm

# 4. CIDを使ってセンサーを設定(CIDはFalconコンソールで確認)
sudo /opt/CrowdStrike/falconctl -s --cid=<あなたのCID>

# 5. Falconサービスの起動
sudo systemctl start falcon-sensor

# 6. 起動確認
sudo systemctl status falcon-sensor

インストールが成功すると、数分後にFalconコンソールの「Host Management」にEC2インスタンスが表示されます。

Windowsへのインストール手順(Windows Server)

# PowerShellで実行(管理者権限)
# 1. インストーラーを実行
Start-Process -FilePath "WindowsSensor.exe" -ArgumentList "/install /quiet /norestart CID=<あなたのCID>" -Wait

# 2. サービス起動確認
Get-Service -Name CSFalconService

方法②:AWS Marketplaceからの導入

AWS Marketplaceでは、CrowdStrike FalconがAMI(Amazonマシンイメージ)として提供されており、EC2インスタンス起動時からセンサーがインストール済みの状態で利用できます。新規インスタンスを大量に起動する場合や、Auto Scalingと組み合わせる際に便利です。

方法③:AWS Systems Manager(SSM)を使った一括導入

複数のEC2インスタンスにCrowdStrikeを導入する際は、AWS Systems Manager(SSM)のRun Command を活用すると効率的です。SSMドキュメントにインストールスクリプトを定義しておくことで、複数のインスタンスに対して一括でセンサーを展開できます。


CrowdStrikeの障害事例:2024年7月の世界的インシデント

CrowdStrikeを語る上で避けて通れないのが、2024年7月19日に発生した世界規模のシステム障害です。この障害は、IT史上最大規模の障害の一つとして記録されています。

障害の概要

CrowdStrikeが配信した Falconセンサーのコンテンツ設定ファイル(Channel File 291)の更新プログラム に不具合が含まれており、これが原因でWindowsシステムがクラッシュし、いわゆる 「ブルースクリーン(BSOD)」 が発生しました。

影響範囲

  • 影響を受けたシステム数:全世界で約850万台以上のWindowsデバイス
  • 影響を受けた業界:航空、医療、金融、放送、小売など多岐にわたる
  • 具体的な影響
    • 航空会社の運航システムが停止し、多数のフライトがキャンセル
    • 病院の電子カルテシステムが使用不能に
    • 銀行・金融機関のサービスが一時停止
    • テレビ局の放送システムに障害

障害の原因と対応

今回の障害の直接原因は、CrowdStrikeがリリースした設定ファイルの更新内容に論理エラーが含まれており、これがWindowsカーネルドライバと競合したことでした。

CrowdStrikeは問題を迅速に認識し、約1時間半後には修正済みのファイルを配信しましたが、すでにダウンしたシステムは自動では復旧しませんでした。復旧には以下の手動対応が必要でした。

【復旧手順(概要)】
1. Windowsをセーフモードまたは回復環境で起動
2. 以下のファイルを削除
   C:\Windows\System32\drivers\CrowdStrike\C-00000291*.sys
3. 通常モードで再起動

BitLocker暗号化が有効な環境では、回復キーの入力も必要となり、復旧作業が大幅に難航した企業も多くありました。

この事例から学べること

この障害はCrowdStrikeの製品自体が攻撃を受けたわけではなく、ソフトウェアアップデートの品質管理の問題でした。この事例は、セキュリティ製品を含むあらゆるソフトウェアの更新において、以下の重要性を改めて示しました。

  • ステージング環境でのテストの徹底
  • 段階的なロールアウト(一部環境から順次適用)
  • ロールバック手順の事前策定
  • BCP(事業継続計画) の重要性

まとめ

今回は、AWS環境で活用できるセキュリティツール「CrowdStrike」について解説しました。

  • CrowdStrikeは AIと機械学習を活用した次世代型エンドポイントセキュリティ であり、従来型のウイルス対策ソフトとは根本的に異なるアプローチを採用しています。
  • AWS環境との親和性が高く、EC2へのエージェント導入やAWS Marketplace、Systems Managerを活用した一括展開が可能です。
  • 2024年7月の大規模障害は、セキュリティ製品であってもアップデート管理と復旧計画の重要性を示す貴重な教訓となりました。

クラウド環境のセキュリティは日々進化しています。CrowdStrikeのような高度なセキュリティツールを正しく理解し、適切に運用することが、現代のインフラエンジニアには求められています。ぜひ自社のAWS環境のセキュリティ対策の一環として、導入を検討してみてください。


CrowdStrikeの仕様や料金は変更される場合があります。最新情報はCrowdStrike公式サイトをご確認ください。

【注意】

このブログは技術に関する知識や経験を共有することを目的としており、情報の正確性に努めていますが、その内容の正確性や完全性を保証するものではありません。ブログの情報を利用する場合は、自己の責任において行動してください。ブログの内容に基づいて行った行動や決定によって生じた損害や被害について、筆者は一切の責任を負いません。

 

記事の内容の一部は、生成AIで作成しています。

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この記事の作者
StarTeller

30歳で異業種からITエンジニアへ転身し、10年以上にわたりインフラエンジニアとして様々な現場でシステム構築・運用に携わってきました。
得意分野はLinux/Windowsのサーバー構築・運用で、ネットワークやAWSなども実務で活用しています。このブログでは、これまでの業務で培った経験を基に、日々の業務で遭遇した問題の解決方法や、システム構築の具体的な手順を解説。現場のエンジニアが実際に「困ったとき」に参照できる情報を意識して投稿していこうと思っています。
※サーバ運用費がかかっているので、広告を掲載させて頂いてます。

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