今回は、リモートデスクトップ接続時の認証エラーについて解説します。特に、以下のようなエラーメッセージに遭遇した場合の対処法を詳しく説明していきます。
認証エラーが発生しました。
要求された関数はサポートされていません。
原因はCreadSSP暗号化オラクルの修復である可能性があります。
このエラーは、主にCredSSP(Credential Security Support Provider)プロトコルに関連する問題で発生します。CredSSPは、リモートデスクトップ接続時の認証を安全に行うためのプロトコルです。
エラーの背景
このエラーが発生する主な原因は、2018年3月にマイクロソフトがリリースしたセキュリティアップデート(CVE-2018-0886)に関連しています。このアップデートは、CredSSPの脆弱性を修正するものでしたが、同時に一部の環境で互換性の問題を引き起こしました。
対処方法
このエラーを解決するには、以下のステップを順番に試してみてください。
1. Windows Updateの実行
まずは、クライアントとサーバー両方のシステムで最新のWindows Updateを適用することをお勧めします。
1. Windowsの「設定」を開きます。
2. 「更新とセキュリティ」を選択します。
3. 「Windows Update」をクリックし、利用可能な更新プログラムをすべてインストールします。
2. グループポリシーの設定変更
Windows Updateを適用しても問題が解決しない場合は、グループポリシーの設定を変更してみましょう。
1. 「ファイル名を指定して実行」(Win + R)を開き、`gpedit.msc`と入力して実行します。
2. 以下のパスに移動します:
`コンピューターの構成 > 管理用テンプレート > システム > 資格情報の委任`
3. 「暗号化オラクル修復」というポリシーを探し、ダブルクリックします。
4. 「有効」を選択し、「保護レベル」を「脆弱(Vulnerable)」に設定します。
5. 「OK」をクリックして設定を保存します。
3. レジストリの編集
グループポリシーの変更でも解決しない場合は、レジストリを直接編集する方法があります。ただし、レジストリの編集は慎重に行ってください。誤った編集はシステムに深刻な影響を与える可能性があります。
1. 「ファイル名を指定して実行」(Win + R)を開き、`regedit`と入力して実行します。
2. 以下のパスに移動します:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System\CredSSP\Parameters
3. 右クリックして「新規」>「DWORD (32ビット) 値」を選択し、`AllowEncryptionOracle`という名前で値を作成します。
4. この値をダブルクリックし、「値のデータ」を`2`に設定します。
5. 「OK」をクリックして変更を保存し、レジストリエディターを閉じます。
4. リモートデスクトップクライアントの設定変更
最後に、リモートデスクトップクライアントの設定を変更することで問題が解決する場合があります。
1. リモートデスクトップ接続を開きます。
2. 「オプションの表示」をクリックします。
3. 「詳細」タブをクリックします。
4. 「設定」ボタンをクリックします。
5. 「セキュリティレイヤー」で「RDP」を選択します。
6. 「OK」をクリックして設定を保存します。
まとめ
CredSSP認証エラーは、セキュリティ更新プログラムの適用によって発生することがありますが、適切な対処方法を知っていれば解決可能です。上記の方法を順番に試してみてください。それでも問題が解決しない場合は、ネットワーク環境やファイアウォールの設定を確認する必要があるかもしれません。
最後に、セキュリティアップデートは重要ですが、時として予期せぬ問題を引き起こすこともあります。そのため、重要なシステムに適用する前に、テスト環境でアップデートの影響を確認することをお勧めします。また、定期的なバックアップを取ることで、問題が発生した際の復旧をスムーズに行うことができます。
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