【セキュリティ】Zscalerとは?仕組みとゼロトラストの関係を徹底解説

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今回は、クラウドセキュリティの分野で急速に普及している「Zscaler(ズィースケーラー)」について、概要・仕組み・ゼロトラストとの関係をわかりやすく解説します。

「名前は聞いたことがあるけど何をするものなの?」「VPNと何が違うの?」という疑問をお持ちの方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

1. Zscalerとは何か?

Zscaler(ズィースケーラー)は、2007年にアメリカで設立されたクラウドセキュリティ企業、およびその企業が提供するクラウドセキュリティプラットフォームの名称です。日本でも大企業を中心に導入が急速に広まっており、インフラエンジニアにとって知っておくべき重要なソリューションの一つとなっています。

Zscalerの最大の特徴は、セキュリティ機能をすべてクラウド上で提供する点です。従来のセキュリティ対策では、社内にファイアウォールやプロキシサーバーなどのアプライアンス(専用機器)を設置し、そこを経由させることでセキュリティを担保していました。Zscalerはこのアプライアンスをクラウド上に移し、インターネットを経由したすべての通信を世界中に分散配置されたZscalerのデータセンターで検査・制御する、まったく新しいアプローチを採用しています。

ポイント:Zscalerは「クラウドネイティブなセキュリティプラットフォーム」です。社内にセキュリティ機器を置かず、すべてクラウドで完結します。

2. Zscalerの主要サービス(ZIA・ZPA)

Zscalerのプラットフォームは「Zscaler Zero Trust Exchange」と呼ばれ、その中核をなす2つのサービスがあります。

ZIA(Zscaler Internet Access)

ZIAは、ユーザーがインターネットにアクセスする際の通信を検査・制御するサービスです。Webフィルタリング、マルウェア対策、SSL/TLS通信の検査、データ損失防止(DLP)など、複数のセキュリティ機能をクラウド上でまとめて提供します。従来は社内のプロキシサーバーやファイアウォールが担っていた役割を、クラウドで代替するものと考えるとわかりやすいです。

ZPA(Zscaler Private Access)

ZPAは、ユーザーが社内システムや特定のアプリケーションにリモートアクセスするためのサービスです。従来のVPNに相当する機能を担いますが、その仕組みは根本的に異なります。VPNが「社内ネットワークへのトンネルを張る」のに対し、ZPAは「特定のアプリケーションにだけアクセスできる経路を動的に作る」という設計になっています。これはZTNA(ゼロトラスト・ネットワーク・アクセス)の考え方に基づいており、セキュリティを大幅に向上させます。

3. Zscalerの仕組み

Zscalerがどのように動作するのかを、順を追って説明します。

ステップ① クライアントからZscalerへの転送

ユーザーのPC・スマートフォンなどには「Zscaler Client Connector(ZCC)」と呼ばれるエージェントソフトウェアがインストールされます。このエージェントが、端末からのすべての通信を自動的にZscalerのクラウド(データセンター)へ転送します。ユーザーは意識することなく、すべての通信がZscalerを経由するようになります。

ステップ② クラウド上での検査・判定

Zscalerのデータセンターでは、転送された通信に対してリアルタイムでセキュリティ検査が行われます。URLフィルタリング、マルウェアスキャン、SSL復号化と再暗号化、DLP(情報漏洩対策)など、複数のチェックが並列で処理されます。問題のある通信はここでブロックされます。

ステップ③ 安全な通信の許可とルーティング

検査をパスした通信は、目的のWebサイトや社内アプリケーションへ転送されます。世界150以上の拠点にZscalerのデータセンターが分散配置されているため、ユーザーの場所に最も近いデータセンターが自動的に選ばれ、遅延を最小限に抑えることができます。

補足:Zscalerはユーザーのデバイスにインストールするエージェントを使うため、オフィス外(自宅・出張先)でも同じポリシーでセキュリティを適用できます。「社内にいるときだけ守られる」という従来の弱点を克服しています。

4. 従来VPNとZscalerの比較

「じゃあVPNでよくないの?」と思う方も多いかもしれません。以下の比較表でVPNとZscalerの違いを整理してみましょう。

比較項目 従来のVPN Zscaler(ZPA)
アクセス範囲 社内ネットワーク全体に接続 許可されたアプリのみにアクセス
信頼モデル ネットワーク内は信頼(境界型) 常に検証(ゼロトラスト)
セキュリティ機器 社内にVPN装置が必要 クラウドで完結(機器不要)
スケーラビリティ ユーザー増加でVPN装置の増強が必要 クラウドが自動でスケール
パフォーマンス 拠点集中でボトルネックが発生しやすい 最寄りデータセンターで処理・高速
クラウドサービスとの相性 一度社内を経由するため遅延が発生 クラウド直接アクセスで高速
内部拡散リスク 侵入後は社内を横断移動できる アプリ単位の制御で横断を防止
運用負荷 機器のパッチ・保守が必要 クラウド側で自動更新・管理不要

最も重要な違いは「アクセス範囲」の考え方です。VPNは接続さえできてしまえば社内ネットワーク全体に自由に動き回れる可能性があります。一方、ZscalerのZPAは「このユーザーはこのアプリだけにアクセスできる」という最小権限を徹底するため、万が一アカウントが侵害されても被害を局所化できます。

VPNは「社内=安全」という前提に依存しています。テレワークやクラウド活用が当たり前になった現代では、この前提が崩れており、VPN単体では不十分なセキュリティリスクが生じています。

5. ゼロトラストとZscalerの関係

「ゼロトラスト(Zero Trust)」とは、「すべてのアクセスをデフォルトで信頼しない」というセキュリティの考え方です。社内にいるユーザーも、社外からアクセスするユーザーも同様に、毎回認証・検証を行い、必要最小限のアクセス権だけを与えます。

Zscalerはこのゼロトラストの考え方を実装するためのプラットフォームとして設計されています。具体的には、以下のゼロトラストの原則をシステムとして実現しています。

  • すべてのユーザー・デバイスを検証する:場所やネットワークに関係なく、ZCCエージェントとIDプロバイダーによる認証を必ず実施します。
  • 最小権限アクセスの徹底:ZPAにより、ユーザーは許可されたアプリケーションのみにアクセスできます。ネットワーク全体への接続は許可しません。
  • すべての通信をリアルタイム検査:ZIAにより、インターネット通信をすべてクラウドで検査し、脅威を早期検出・遮断します。
  • データ保護(DLP):重要な情報が社外に漏れないよう、通信内容を検査して制御します。

つまりZscalerは、ゼロトラストという「考え方」を現実のシステムとして製品化したものと言えます。ゼロトラストを実現するための具体的な手段として、世界中の多くの企業がZscalerを選んでいます。

6. Zscalerを導入する主なメリット

Zscalerを導入することで得られる主なメリットを5つ紹介します。

① セキュリティポリシーの一元管理

オフィス・自宅・出張先など、どこからアクセスしても同じセキュリティポリシーが適用されます。「社外からのアクセスはVPN経由、社内はそのままインターネット接続」といったポリシーの複雑さが解消され、管理がシンプルになります。

② クラウドサービスへの高速アクセス

Microsoft 365やGoogle Workspaceなどのクラウドサービスへの通信を、いったん社内拠点に引き込まずに直接Zscaler経由でアクセスできます。これにより遅延が減り、業務効率が向上します。

③ インフラ機器の削減・コスト最適化

VPN装置、オンプレミスのプロキシサーバー、Webフィルタリングアプライアンスなど、複数のセキュリティ機器をZscalerに統合できます。機器の購入・保守コストを削減し、運用担当者の負担も軽減されます。

④ テレワーク環境への迅速な対応

エージェントをインストールするだけで、テレワーク社員も同じポリシーのもとで安全に業務が行えます。VPNのような集中接続によるボトルネックが発生しないため、接続品質も安定します。

⑤ インシデント時の影響範囲の局所化

万が一アカウントが乗っ取られても、そのユーザーがアクセスできるのは事前に許可されたアプリケーションのみです。社内全体への横断的な侵害(ラテラルムーブメント)を防ぎ、被害を最小限に抑えられます。

7. 導入時の注意点

Zscalerは非常に強力なソリューションですが、導入にあたっていくつかの点に注意が必要です。

SSL/TLS検査の影響:ZIAによる暗号化通信(HTTPS)の検査を有効にすると、社内で使う証明書との互換性問題や、一部アプリケーションで通信エラーが発生する場合があります。事前に十分なテストが必要です。
エージェントの管理:Zscaler Client Connector(ZCC)をすべての端末に展開・管理する必要があります。MDM(モバイルデバイス管理)やグループポリシーとの連携設計を事前に検討しましょう。
IdPとの連携が前提:ZscalerはAzure AD(Microsoft Entra ID)やOktaなどのIDプロバイダー(IdP)との連携が前提となります。既存のID管理基盤を確認しておく必要があります。
段階的な導入がおすすめ:いきなりすべての機能を有効化するのではなく、まずZIAからパイロット導入し、次にZPAを展開するなど、段階的に適用範囲を広げていくアプローチが失敗を防ぐポイントです。

まとめ

今回はZscalerの概要・仕組み・ゼロトラストとの関係について解説しました。要点を整理すると以下のとおりです。

  • Zscalerはセキュリティ機能をすべてクラウドで提供するセキュリティプラットフォームです。
  • 主要サービスはインターネットアクセスを守る「ZIA」と、社内アプリへのアクセスを制御する「ZPA」の2つです。
  • 従来のVPNと異なり、ネットワーク全体ではなくアプリ単位でアクセスを制御するため、セキュリティが大幅に向上します。
  • Zscalerはゼロトラストの原則(常に検証・最小権限・すべて検査)をシステムとして実現したプラットフォームです。
  • 導入にあたっては、SSL検査の影響確認・エージェント展開計画・IdP連携の設計を事前に行うことが重要です。

クラウドシフトとリモートワークが進む現代のIT環境において、Zscalerはセキュリティの考え方を「境界型」から「ゼロトラスト型」へ転換するための強力な選択肢です。まずはZIAから試験導入を検討してみてはいかがでしょうか。

 

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このブログは技術に関する知識や経験を共有することを目的としており、情報の正確性に努めていますが、その内容の正確性や完全性を保証するものではありません。ブログの情報を利用する場合は、自己の責任において行動してください。ブログの内容に基づいて行った行動や決定によって生じた損害や被害について、筆者は一切の責任を負いません。

 

記事の内容の一部は、生成AIで作成しています。

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この記事の作者
StarTeller

30歳で異業種からITエンジニアへ転身し、10年以上にわたりインフラエンジニアとして様々な現場でシステム構築・運用に携わってきました。
得意分野はLinux/Windowsのサーバー構築・運用で、ネットワークやAWSなども実務で活用しています。このブログでは、これまでの業務で培った経験を基に、日々の業務で遭遇した問題の解決方法や、システム構築の具体的な手順を解説。現場のエンジニアが実際に「困ったとき」に参照できる情報を意識して投稿していこうと思っています。
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