【RHEL】TeratermでSSH切断後もコマンドを実行し続ける方法

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今回は、Linux初心者の方向けに、TeratermなどのSSHクライアントで接続を切断した後でもコマンドを実行し続ける方法について解説します。長時間かかる処理を実行する際に、PCの電源を切りたい場合や、ネットワークが不安定な環境での作業時に非常に役立つテクニックです。

1. nohupコマンドとは

nohup(no hang up)は、ターミナルを閉じた後でもプロセスを継続して実行させるためのLinuxコマンドです。通常、SSHセッションを切断すると実行中のプロセスも終了してしまいますが、nohupを使用することで、バックグラウンドでプロセスを継続実行することができます。

2. nohupの基本的な使い方

nohupの基本的な構文は以下の通りです:

nohup コマンド &

具体例として、長時間かかるファイルコピーをバックグラウンドで実行する場合:

nohup cp -r /source_dir /destination_dir &

実行すると、以下のような出力が表示されます:

nohup: ignoring input and appending output to 'nohup.out'
[1] 12345

ここでの12345は、プロセスID(PID)を示しています。このPIDは後でプロセスを管理する際に必要となりますので、メモしておくことをお勧めします。

3. 実行中のプロセスの確認方法

nohupで実行したコマンドの進捗状況は、以下の方法で確認できます:

1. nohup.outファイルの確認:

tail -f nohup.out

2. プロセスの状態確認:

ps aux | grep プロセスID

3. 実行中のnohupプロセス一覧の確認:

ps aux | grep nohup

4. プロセスの停止方法

バックグラウンドで実行中のプロセスを停止するには、以下の方法があります:

1. killコマンドによる停止:

kill プロセスID

2. 強制終了が必要な場合:

kill -9 プロセスID

5. 実践的な使用例と注意点

実際の業務でよくある使用シーンとして、大容量のログファイル解析を例に説明します:

nohup grep -r "Error" /var/log/ > error_logs.txt &

このコマンドを実行する際の重要な注意点:

1. 出力先の指定
– デフォルトでは、nohupコマンドを実行したディレクトリ(カレントディレクトリ)にnohup.outファイルが作成されます
– 例えば、/home/userディレクトリでnohupコマンドを実行した場合、/home/user/nohup.outに作成されます
– 明示的に出力先を指定する場合は、以下のように「>」を使用します:

nohup コマンド > /path/to/output.log &

– ディスク容量を考慮して、適切な出力先を指定することが重要です
– 標準エラー出力も含めて記録したい場合は、以下のように「2>&1」を追加します:

nohup コマンド > /path/to/output.log 2>&1 &

2. プロセスの管理
– 実行直後に表示されるPIDはメモしておきましょう
– topコマンドでCPU使用率やメモリ使用率を監視することをお勧めします

3. nohup.outファイルの管理
– nohup.outファイルはプロセスが完了しても自動的には削除されません
– 長期運用時は定期的な削除やログローテーションの設定が必要です
– 大量のプロセスを実行する場合、ディスク容量の圧迫に注意が必要です
– 不要なnohup.outファイルは手動で削除することをお勧めします:

rm nohup.out

4. 実行権限の確認
– nohupコマンドを実行する前に、実行するコマンドに対する権限があることを確認してください

6. トラブルシューティング

よくある問題と解決方法:

1. nohup.outファイルが作成されない
– カレントディレクトリの書き込み権限を確認
– 明示的に出力先を指定することで解決できます

2. プロセスが予期せず終了する
– メモリ不足やディスク容量不足が原因の可能性
– システムログ(/var/log/messages)を確認

3. プロセスの停止ができない
– プロセスツリーを確認し、親プロセスを特定
– kill -9 を使用する前に、通常のkillコマンドを試す

7. まとめ

nohupコマンドは、Linux環境での長時間処理を管理する上で非常に重要なツールです。基本的な使い方を理解し、適切にプロセス管理ができるようになることで、より効率的なシステム運用が可能になります。

特に初心者の方は、以下の点を意識して使用することをお勧めします:

– 実行前にコマンドの動作確認を行う
– PIDは必ずメモを取る
– 出力ファイルの容量管理を忘れない
– 定期的にプロセスの状態を確認する

これらの基本を押さえることで、より安全で効率的なバックグラウンド処理の実行が可能になります。

【注意】

このブログは技術に関する知識や経験を共有することを目的としており、情報の正確性に努めていますが、その内容の正確性や完全性を保証するものではありません。ブログの情報を利用する場合は、自己の責任において行動してください。ブログの内容に基づいて行った行動や決定によって生じた損害や被害について、筆者は一切の責任を負いません。

 

記事の内容の一部は、生成AIで作成しています。

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この記事の作者
StarTeller

30歳で異業種からITエンジニアへ転身し、10年以上にわたりインフラエンジニアとして様々な現場でシステム構築・運用に携わってきました。

得意分野はLinux/Windowsのサーバー構築・運用で、ネットワークやAWSなども実務で活用しています。

このブログでは、これまでの業務で培った経験を基に、日々の業務で遭遇した問題の解決方法や、システム構築の具体的な手順を解説。現場のエンジニアが実際に「困ったとき」に参照できる情報を意識して投稿していこうと思っています。

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