今回は、RHELでのLogical Volume Manager (LVM)の使用方法について、詳しく解説します。
特に、一般ユーザーアカウントから物理ボリュームの作成、ボリュームグループの作成、そして複数の論理ボリュームの作成手順に焦点を当てます。
前提条件
– RHELシステムへの一般ユーザーアカウントでのアクセス
– sudoコマンドの実行権限
– 未使用のディスクまたはパーティション(例:/dev/sdb)
注意:root権限で作業する場合は、以下のコマンドからsudoを省略してください。
それでは、具体的な手順を見ていきましょう。
物理ボリュームの作成
まず、物理ボリューム(PV)を作成します。これは、LVMが管理するストレージの最小単位です。
# デバイスの確認
sudo lsblk
# 物理ボリュームの作成
sudo pvcreate /dev/sdb
# 作成した物理ボリュームの確認
sudo pvdisplay
ここで、`/dev/sdb`は使用するディスクデバイスです。環境によって異なる場合があるので、`lsblk`コマンドで適切なデバイスを確認してください。
ボリュームグループの作成
次に、作成した物理ボリュームを使ってボリュームグループ(VG)を作成します。
# ボリュームグループの作成
sudo vgcreate myvg /dev/sdb
# 作成したボリュームグループの確認
sudo vgdisplay
ここで、`myvg`は作成するボリュームグループの名前です。必要に応じて変更してください。
論理ボリュームの作成
最後に、ボリュームグループ内に複数の論理ボリューム(LV)を作成します。
# 論理ボリュームの作成(例:2つのLVを作成)
sudo lvcreate -L 5G -n mylv1 myvg
sudo lvcreate -L 3G -n mylv2 myvg
# 作成した論理ボリュームの確認
sudo lvdisplay
ここでは、`mylv1`という名前で5GBのLVと、`mylv2`という名前で3GBのLVを作成しています。サイズと名前は、必要に応じて調整してください。
ファイルシステムの作成とマウント
論理ボリュームを作成したら、ファイルシステムを作成し、マウントする必要があります。
# ファイルシステムの作成(例:ext4)
sudo mkfs.ext4 /dev/myvg/mylv1
sudo mkfs.ext4 /dev/myvg/mylv2
# マウントポイントの作成
sudo mkdir /mnt/data1 /mnt/data2
# 論理ボリュームのマウント
sudo mount /dev/myvg/mylv1 /mnt/data1
sudo mount /dev/myvg/mylv2 /mnt/data2
# マウントの確認
sudo df -h
永続的なマウント設定
システムの再起動後も自動的にマウントされるようにするには、/etc/fstabファイルを編集する必要があります。このファイルの編集にはroot権限が必要です。
# /etc/fstabファイルの編集
sudo nano /etc/fstab
以下の行を追加してください:
/dev/myvg/mylv1 /mnt/data1 ext4 defaults 0 0
/dev/myvg/mylv2 /mnt/data2 ext4 defaults 0 0
これで、システムの再起動後も自動的に論理ボリュームがマウントされるようになります。
注意点
LVMの操作は慎重に行う必要があります。本番環境での作業の前に、必ずテスト環境で十分に練習し、理解を深めることをおすすめします。
コメント